

4EB Japan-Wave 98.1Mhz
オーストラリア、ブリスベンからお届けする日本語FM番組。
第五回 ヘアードレッサー
Author: tanaka
この上部↑にあるPlay アイコンをクリックするとインタービューが聞けます。第五回ヘアードレッサー
Yasu

本日はブリスベンで活躍されている日本人美容師、Yasuさんの職場にお邪魔しております。宜しくお願いします。
こちらこそ、宜しくお願いします。
とても広くて、落ち着いた木目調のお店で、日本にあるような美容室ですね~。これはYasuさんの意見が考慮されたのですか?
いえいえ、僕がここのサロンに来るまえからで、たまたまです(笑)
「美容師になり、海外へ」
Yasuさんは、いつ頃から美容師のお仕事に興味を持ちはじめたんですか?
実はうちの父親が理容師で、母親が美容師をやっていて、その中で僕が育ったんです。
後を継ごうと思ったわけですか?
いえ、絶対にこんな忙しい仕事はやりたくない!って思っていました。だけど、高校3年の進路を決める時に、大学へ行こうと思ったのですが、英語の成績が悪くて…。理科は学年トップの成績だったのですが、英語だけが最下位という変な成績だったので、普通にレベルの低い大学へ行き、サラリーマンで一生終えるよりも、手に職をつけよう!と思ったんです。経営者になりたくて、それで、周りを見たら身近に理容・美容師という選択肢があった。それで決めちゃいました。
日本でも活躍されていたと伺いましたが、なぜ海外に出ようと思ったんですか?
まず僕は英語が全然出来なくて、英語さえ出来れば全然違う道が開けたのに!という思いがありました。高校の先生にも「入試科目が理科だけだったら、東京六大学の好きなとこへ行ける」って嫌味を言われたくらいですから。あとは、衝撃的だったのが、高校時代から仲が良かった友人3人が28歳の時に立て続けに亡くなったんです。棺桶に入っている親友の姿を目の当たりにして、人生ってなんだろうと深く考えました。自分も明日、死ぬかもしれない、それならたった1回の人生を思い切り後悔のないように生きようと考え始めました。
それを実行に移したきっかけはありましたか?
たまたま、友達のお姉ちゃんがアメリカ人と結婚して、里帰りの時に話を伺って「海外に美容師は全然少なくて、1人でも多くの方に出て来て欲しい」と聞かされ、アメリカに行こうって決めました。
英語が苦手だったのに突然アメリカですか!?不安はありませんでしたか?
「言葉なんて関係ない、自分はハサミとクシがあれば世界中どこでも生きていける」、なんて自信がありました。
それで実際にアメリカにはどのくらいの期間滞在したのですか?
たった3ヶ月だけだったんです。3ヶ月働いてみて、英語なしでは通用しないと痛感しました、鼻の頭をへし折られましたね。日本語だけだと日本人のいる環境でしか働けないから、自分ひとりでは何も出来ないとわかりました。もし英語が話せれば、アメリカ人のサロンにモデルを連れて行って、自分の技術を見てくれって勝負も出来たんですが、それすら出来ませんでした。
その次にオーストラリアに来たわけですよね?
はい、自分に必要な英語を学ぶためには仕事を止めてでもいいから勉強しようって決断をし、ビザがとりやすかったという理由もありオーストラリアを選びました。
オーストラリアに来た目的は美容師としての技術を広めるというより、語学のためというほうが大きかったのですか?
そうですね。英語を身に付けて、アメリカに帰ろうと思っていたぐらいでした(笑)
どれくらいオーストラリアでは英語を勉強されていたんですか?
語学学校に通ったのは1年でした。そのあとにビジネスを勉強して、こっちのライセンスとるためにもう1年ヘアドレッサーのスクールも行って、今のサロンに落ち着きました。
「オーストラリアと日本の違い」
学んでいる課程で、オーストラリアと日本に技術の違いを痛感されたことは?
美的感覚がまったく違いますね。さらにお客さんが求めるものもですね。日本人が目指すスタイルは量を軽くしたい、ストレートの髪にパーマをかけたい、しかし、こっちの人は、量を増やしたい、艶やかなストレートにしたい、というように違います。骨格や髪質が違うので、カットやブローの仕方もすべてが違います。
日本へは一年に一回は勉強のために帰国しているとお聞きしましたが。
はい、帰国した時は、3、4時間人通りの多いところにあるカフェに座って、通りを歩く人の髪をチェックしています。そこから年代別や男女別で今はやっているスタイルを街の人から学ぶという感じですね。それが一番、一般のお客さんの感性に近づける方法だと思うんです。ファッション雑誌や業界紙だけでは、惑わされてしまいますからね。
人間観察を日ごろからなさっているわけですね。
むしろ髪観察ですね(笑)仕事の時も、お客さんがサロンに入ってきた瞬間に、その人が何を求めているかというのを、髪型、メイク、来ている服やバックなどを見て情報収集して、お客さんの好みを読んでいるんですよ。
お客様に満足してもらうために工夫などはされていますか?
オーストラリアのお客さんには、日本の技術をアピールしたいです、例えば、クシで髪をとかすときでも、こっちの人は雑だからガリガリ引っかくんですね、なので、一つ一つの動きも優しく丁寧にやって、シャンプーも日本式のシャンプーでリラックスしてもらって、そういうこっちでは味わえない技術を日本は持っているので、それを味わって欲しいのです。
海外で日本人の美容師の需要というのは本当に高いですよね。
そうですね。例えばパーマに関しては、こっちでは技術が全然発達していないんです。
なぜですか?
パーマをかけるお客さんがいないからです。だから出来る美容師さんが少ないんです。
えっ!?じゃあこっちの人で髪にウェーブがかかってるのって・・・
天然なんですよ。
もしかしてパーマ用の道具とかもないんですか?
はい。くるっくるのパーマをするための細いロットしかありません。薬液も20年は遅れていますね。
じゃあYasuさんは、どうされているのですか?
僕はちゃんとロット、ペーパー、パーマ液、輪ゴムまで日本から送ってもらっています。
そうしなければ!と思ったきっかけはありましたか?
オーストラリアにある道具だけでは絶対に日本のスタイルを作るのは無理だと思ったからです。実費で日本から持ってくるしかない!みたいな。
では逆に、オーストラリアだからこそ知れたノウハウはありますか?
難しい質問ですね。技術やサービスに関しては日本の方が上ですから。でも、美容師さんに言いたいことは、海外の人が日本に来た時にきちんと切ってあげて欲しいということです。日本の感覚で勝手に髪をすいちゃったりするとダメなんですよ。外国人が何を求めているのかをもうちょっと知って欲しいですね。
技術を持っていても絶対満足してもらえるとは限らないわけですね。
そのとおりです。
今までで、お客様からおもしろいなーっていう注文はありましたか?
日本人の方で、「前髪2g切ってください!」って(苦笑)
グラムできましたか!どう対応したんですか?
できませんっていいました(笑)
「副業など」
Yasuのウェブサイトを見させて頂いたのですが、本当に幅広い趣味と特技、副業がありますよね!パソコン修理、メイクアップ、フォトグラファー、ライター、翻訳、セミナー業、料理、野球、読書、そしてウェブデザインもご自分で作成されてるそうで。
これはもう一言では説明出来ないですね。まず、僕は本来コンピューター関係、プログラミングとかをやりたかったんですよ。社会人になってからは、時代がコンピューター化の流れになったので、趣味が高じて、どんどん深まっていったという感じですね。
最初は趣味だったものが、お仕事につながったんですね。
そうなんですよね。カメラも、きっかけは星を撮りたくて、中学の時にバイトして一眼レフを買ったんです。美容師の世界でも、自分の作った髪型を写真で表現するフォトコンテストみたいなのがあるんですよ。カメラはそういう分野につながったし。まったく無駄なことってないと思います。
現在Yasuさんは、日本で講演活動などもされているそうですが、どんなことを伝えていますか?
理美容の専門学校へ行くので、まずは生徒さんたちには日本のレベルの高さに自信を持ってほしいと伝えます。それで、もし海外へ出るなら、その技術を活かすために英語は必要だから勉強しましょうって(笑)。それで、多くの美容師さんが海外で活躍して欲しいですからね。
日本人美容師が海外に出てこないのには理由があるんですか?
みんな練習に追われて海外の情報を得る時間がないんです。あと机に長時間向かって勉強するというのも苦手なんですよね、きっと。
では、最後に!今回番組を聴いていらっしゃるリスナーの方、そして、この番組をもしかしたら日本で聴いているかもしれない美容師の方々に一言!
まず、夢は必ず叶うってことです。夢が大きい分だけ努力が必要だけど、努力をすればいつかは自分のところに返ってきて結果が出ます。僕は天才でもなんでもなく凡人ですが、ただ目標を設定してみんなよりも、ちょっぴり努力しただけです。ほんと特別なことは何もしてないんですよ。僕で出来るということは、みんなも出来ると思います。
今日はお忙しい中ありがとうございました。
こちらこそ、どうもありがとうございました。
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