日本国内でも格安の縮毛矯正サロンだと、インターン生や経験の浅いスタッフが施術する場合が多いようですが、実はかなり経験と勘が必要な技術です。
オーストラリアでは特別な技術と認識されているので、オージー美容院全体の20%程度しか矯正をできる美容師さんはいないと思います。
今回のモデルさんは、日本の「縮毛矯正専門店」でやっと真っ直ぐになるけれど、普通のサロンではなかなかストレートにはならなかったそうです。シャンプー後のクセの状態です。7ヶ月前に縮毛矯正をしています。
一本の毛がねじれたように生えて、クセも強いウェーブ状になっています。リタッチをする場合、クセが出ているところにだけ矯正剤を塗布します。面倒だからと言って、毛先まで一気に薬剤を塗ってしまうと、毛先は焦げたように縮れた仕上がりになります。(7ヶ月前にかけてある)既にストレートになっている部分には薬剤は塗布しません。
1剤の塗布!
ここは、僕の最もこだわるところです。けっこう多くの美容師さんが毛先まで塗布しているのが見受けられます。完全毛先保護!これは僕のこだわりです。
すでにストレートになっている部分に再度薬剤を塗布しては、この強い薬を同じ箇所に二度、三度…と塗ることになり、ダメージレベルはブリーチ以上に受け、ぱっと見ストレートはストレートですがパサパサになって、ゴワゴワと焦げた状態になってしまいます。
どうせ縮毛矯正をかけるなら、根元から毛先まで艶やかな髪に仕上げたい!それが僕の目指す仕事です。矯正を何年も掛け続けても、毛先まで健康でサラサラな髪を目指します。
【ここがこだわり!】
ストレートアイロンは、日本製のアイロンを変圧器を持ち込んで仕様しています。理由は、オーストラリアで購入したアイロンでは、温度が一定ではなく、掛かりムラが起こるからです。薬剤だけではなく、アイロン器具も全て日本から持ち込んで使用しています。
髪が痛むのは、本来あるはずのたんぱく質(コラーゲン・ケラチンなど等)が流出するから。
PPT(Polypeptide~髪の毛の類似成分を細かく加水分解したもので、髪の間充物質と同じ成分だから損傷毛に吸着するもの)を キチンと補ってあげて、毛先まで艶々を目指します!
ケラチン・コラーゲンを前回ストレートをした部分にも塗布。特にダメージの強い毛先には、タンパク質の分子同士が結合しやすいようにCMCというプロテインを補給させます。
【薬液塗布のポイント】
地肌から1~1.5cmの根元の部分は絶対に塗りません。以前、他店で矯正をかけて根元から抜け落ちたというお客様を何人かから御相談を受けましたが、原因は毛穴にまで薬液を塗布したからです。絶対に根元は塗りません。そして、前回ストレートをかけた部分には薬液を付けません。実はリタッチの方が、全体の髪を矯正するより、細かいテクニックと知識が必要とされます。
全体を縮毛矯正かけるより、リタッチの方が手間がかかっている分、料金が発生すると考えます。
以下、必要な部分だけに薬剤を塗布し、以前ストレートをかけた部分には高分子たんぱく質をたっぷり塗布したところです。
時間を置きますが、個人差があるので、5〜7分置きにチェックします。有りがちなミスは、マニュアルは15分と書いてあったからと言って本当に15分置いては、薬液が浸透しやすいお客様の場合、髪が焦げたり、酷い場合には溶けて切れ落ちる場合もあります。必ず7分ごとにチェックして、完全に薬が効いた状態で濯ぎに入ります。時間が早すぎたらかかりませんし、長すぎたら取り返しの付かないことになります。これも経験と勘が必要です。
薬液が完璧に浸透し、髪の毛が完璧に軟化したのを確認してから、お湯で濯ぎます。
この軟化の判断が縮毛矯正の結果を左右すると言っても過言ではありません。
薬を濯いだ後、もう一度たんぱく質補給をします。アルカリに傾いている髪のPhを弱酸性に戻す効力もあり、またヒートプロテインの効果で、毛先まで熱を通す事により、艶やかな仕上がりになります。
泡が消えて、十分にたんぱく質が吸収されたら、キチンと乾かします。アイロンの温度は180度以下に設定をすると、髪を挟んだ瞬間に髪の温度は80度程度にまで上がります。
もし水分が残っていて、アイロンを入れたときに「ジュー」と音がするような状態だと、髪の温度は沸点(100度)を超えますので焦げてしまいます。アイロンを挟んだ時に、少し湯気(蒸気)が出る程度の水分量が理想です。
アイロン操作
2019年より、ブリスベンでも(日本で話題の)ヘアービューロンを使用しています。
よくマニュアルでは、すくう毛束の厚さは2cmと説明していますが、経験上5ミリ〜10ミリの厚みでかけていかないと、毛束の内部まで熱が通らず、かかりがムラになってしまいがちです。
クセの強い部分はお客様によって個人差があるので、もっともクセの強い部分は3ミリのスライス幅で、そうでないところは5ミリで行ないます。(時間はかかりますが、仕上がりがキレイで長持ちもします。)
上の写真は正しいアイロン操作です。薄く毛束を取り、頭皮に対して直上線(90度)の角度で持ち上げてかけています。こうやってかけないと仕上がりがフワっと自然なストレートになりません。
ペタンとならないようにかける矯正のコツは、全ての毛束は頭皮に対して90度の角度でかけていくことです。下の写真は、悪い例です。多くの美容師さんが、このようにかけてしまいがちです。
頭皮に対して角度が下がっています。これだと頭皮に対して30度の角度になっていて、90度とは程遠いです。こうやってかけてしまうと、どしてもボリュームがでなく、丸みの無い平面的な仕上がりになってしまいます。
あとは、髪を力で引っ張りながらアイロン操作をする美容師さんが多いです。お客様の頭がグイグイと揺れるのは力でかけています。あくまでも化学の力で髪の形を再構築させる技術です。しっかり熱を与えれば力は無駄な力みは一切必要ありません。
アイロン操作終了
既に天使の輪が見えます。
縮毛矯正を20年近くやってきて、最近分かったことは、渦巻きの流れに沿ってかけていくと長持ちするってことです。殆んどの人間の髪は真下に無かって髪は生えていません。真下に向かって生えているのはマネキンの人形だけです。
通常は斜め下に向かって生えていたり、真横に生えている人も少なくありません。真横に生えている髪を、アイロン操作で真下にかけると、そこで90度のカーブができます。それが2ヶ月後には「膨らみ」を作ってしまいます。
髪は真横に伸び進んでいたい(笑)でも矯正で真下にかけてしまってる。その結果、根元に「ガッキ」のような折れ目がついてしまいます。時間はかかるのですが、毛の流れを読んで、毛流に逆らわないでアイロンをかけていくと綺麗に収まりのよい長持ちする柔らかいストレートがかけれます。
下の写真は、2液を塗布したところです。2液は過酸化水素を使っているので、時間を置きすぎるとダメージの原因になります。
昔の薬剤、もしくはオーストラリアで手に入る薬剤は、この2液処理に20分以上も放置しなくてはなりません。
日本の薬剤を使用することによって、このプロセスが10分以内でOKです。
下の写真が仕上がりです。軽く乾かして荒めの櫛で撫で付けた程度で、キレイな艶と天使の輪、自然なボリューム感が出ています。写真では分かりにくいのですが、根元から毛先まで艶が均一に出ています。
仕上がり
もう一度、Beforeをご覧なって下さい。
モデルさん長時間お疲れ様でした。
僕の矯正のお客様には4時間を確保しております。十分な時間を持ってお越し下さい。
矯正を掛け続けていて、毛先がボロボロになって困っている。。。というお客さんを多く見かけます!それは絶対に担当の美容師さんの作業工程が間違っているからです。
僕は日本から薬剤を全て持ち込んで行っています。
矯正のお薬は、チオ系、シス系、酸性系、システアミン系の四種類から、お客さんの毛質に合わせて使い分けています。
特別料金表
オーストラリアでは縮毛矯正の技術が特殊になるために、ショートヘアーで400ドル以上、ロングだと1000ドル近くかかります。
裏・縮毛矯正料金(円表記は、Cash B Rate を参考)
※シャンプーブロー込み
※ニュースレター購読者は以下のように約50ドルOFF(条件あり〜お問い合わせ下さい)メンズ
330ドル→270ドル(約18,900円)前髪のみ矯正
220ドル→170ドル(12,000円)ショート
380ドル→330ドル〜(約23,500円)ミディアム(顎を超える長さ)
430ドル→380ドル〜(約26,600円)ロング(鎖骨を超える長さ)
480ドル→430ドル〜(約30,000円)EX-ロング(脇の下を超える長さ)
500ドル→450ドル〜(約33,750円)
●リタッチ5cm以内(目安として約4ヶ月以内)であれば上記の割引き後の料金から更に10%引き
※但し、他店で行った場合、特に失敗して髪が折れている状態は、薬剤のリタッチ塗布が非常に行動な技術を要するために、10%の割引きはならない場合があります。
ニュースレター購読者は、上記のように約50ドル引きになります。
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